本の感想 サイコパス

サイコパス

中野信子先生の本を読みたかったので、読んでみました。

サイコパスが犯す罪の話(負け組サイコパス)は気持ち悪いですが、サイコパスの大胆さ・冷静さで人類が進化できた話(勝ち組サイコパス)もあり、「サイコパス」が必要かは社会のとらえ方次第、扱い方次第という視点がおもしろかったです。

興味深かったところは、3つ。

1つ目は、サイコパスが発現するには、先天的要素と後天的要素がありそうだという話の後にあった「社会制度の整備とリテラシー教育を」の項。

サイコパス(の遺伝的特徴)が、唾液や頬の粘膜を撮るだけの簡単なDNA検査によって調べることができるようになって、その結果によって「反社会的傾向が高い」などとレッテルを張られてしまう恐れがあること。しかし、後天的な要素で変わる可能性がある部分についてこのような確定をしてしまうような優生学的な考えを退ける社会倫理的、法的な枠組みが必要になる、という話。

自分がサイコパスに絡まれるのは嫌だなと思うとこういうサービスを使いたくなるし、自分がサイコパスの要素を持っていたら、こういうサービスは使ってほしくないし、まさに道徳の問題みたいだなと思いました。サービスを作ってしまったけど、使えないっていうのはありなんでしょうか?無しにしたって絶対隠れて使う人はいるでしょう…。

2つ目は、「遺伝子検査」をどうとらえるか、という話。「信頼性」と「妥当性」という基準を満たしたテストであるかどうかを知っておくことが大切とのこと。

DNA検査サービスなどいろいろ増えてきているが基準を満たさないテストを鵜呑みにして、自分を判断したり、自分が判断されるのも怖いですが、基準を満たすテストができたときに、自分はその判断結果をどう扱えばいいのか、自分のことを決めるのに、「正解」を求めてしまいそうな気がして、悩みが増えました。 (もういい年ですけど)

そういえば、以前、NHKスペシャルで「人工知能が自分が取るべき講座をアドバイスしてくれるサービスを使っているアメリカの大学」があるという話もありました。

あなたの進路は人工知能が決める|WIRED.jp

本文の「何かを決定するというのは脳がつかれるから避ける」という話に通ずる気がします。

3つ目の驚きの話は、

昔からサイコパスのような人はいて、「誰も見ていないときに氷の海に突き落として殺す」とか「穴に落として殺す」ということをしていたという話。そんなことが言い伝えや文献に残っていることが驚きでした。昔から悩まされてきたんだなということがわかる話でした。

お気に入り度:★★★☆☆